適齢期を過ぎても未婚の現状とデータを知る 〜統計で読み解く「結婚しない時代」のリアル〜
「結婚適齢期」という言葉が、今では昔のものになりつつあります。「いつ結婚するの?」という親からの言葉に、若者たちはどこか冷めた反応を見せることも。実際、現代の日本では結婚する人が減り、結婚の時期も遅くなっているのが現実です。しかし、その背景には「時代の変化」や「若者の価値観の変容」があり、単に「結婚しない」わけではありません。
この記事では、統計データをもとに、現代の未婚率や結婚年齢のリアルな現状を解説し、なぜ適齢期を過ぎても結婚しない人が増えているのか、目から鱗が落ちるような理由に迫ります。
1. 数字で見る「現代の未婚率」と「結婚年齢」
まずはデータから現実を知ることが大切です。
未婚率の増加
日本の国勢調査によると、50歳時点で一度も結婚したことのない人の割合(「生涯未婚率」)は、年々増加しています。
男性の生涯未婚率:
1980年 → 2.6%
2020年 → 28.3%
女性の生涯未婚率:
1980年 → 4.5%
2020年 → 17.8%
たった40年の間に、未婚率は10倍以上に跳ね上がっています。特に男性の未婚率の増加は顕著で、「結婚しない」という選択が社会全体に浸透していることがわかります。
晩婚化が進む現状
さらに、結婚する人の年齢も遅くなっています。
1980年の平均初婚年齢
男性:27.8歳
女性:25.2歳
2022年の平均初婚年齢
男性:31.1歳
女性:29.7歳
現代では、30歳を超えて初めて結婚することが「普通」になりつつあります。特に女性の社会進出や、キャリアを大切にする価値観の変化が大きく影響しています。
2. なぜ結婚しない?結婚が遅れる理由
では、なぜ未婚率が増え、結婚が遅くなっているのでしょうか? その理由を大きく3つに分けて考えます。
① 経済的な不安が大きい
現代の若者が直面している一番の問題は「お金」です。
非正規雇用の増加や低賃金の問題
結婚や子育てにかかる費用の上昇
将来への不安(年金・老後問題)
「結婚したいけれど、経済的に余裕がない」と感じる若者が多いのです。特に男性の場合、「安定した収入がないと結婚できない」というプレッシャーも根強く残っています。
② 自由なライフスタイルを重視
現代では「結婚=幸せ」という価値観が薄れ、結婚しない生き方も受け入れられる時代になりました。
一人の時間を大切にしたい
仕事や趣味に集中したい
結婚しなくても人生を楽しめる
特に、結婚による「自由の制約」を恐れる若者も多く、結婚を「人生の選択肢の一つ」として捉えています。
③ 出会いの機会が減っている
社会環境の変化も見逃せません。
SNSやオンラインの普及で「リアルな出会い」が減少
コロナ禍で人との交流が制限された
恋愛や結婚に対するハードルが高く感じる
結果として、「結婚したいけれど出会いがない」「異性とどう接すればいいかわからない」と悩む人が増えています。
3. 未婚化・晩婚化の影響と未来
未婚化や晩婚化は、個人の自由な選択の結果でもありますが、社会全体にも大きな影響を与えています。
少子化の加速
未婚率の上昇に伴い、子どもが生まれる機会が減少し、日本の少子化が加速しています。
孤独や老後の不安
未婚のまま年齢を重ねることで、老後の孤独や経済的な問題が浮き彫りになっています。
4. 親世代ができること:理解とサポート
未婚化・晩婚化の現状を理解した上で、親世代ができることは次の2つです。
1) 価値観を押し付けない結婚はあくまで子ども自身の選択です。「なぜ結婚しないの?」と
責めるのではなく、子どもの考えや価値観を理解する姿勢が大切です。
2)自然な出会いの機会を提供する焦らせるのではなく、さりげなく出会いの場やきっかけを
提案するのも一つの方法です。
まとめ:結婚は人生の選択肢の一つ
適齢期を過ぎても未婚の人が増えた背景には、経済的な不安や価値観の多様化、社会環境の変化が大きく影響しています。もはや「結婚しないことは異常」ではなく、結婚は人生の数ある選択肢の一つになりました。
子どもが自分自身の人生に納得し、幸せを感じられることが大切ではあります。現代の未婚率データの傾向が「幸せが得られる」こととイコールなのか疑問です。やはり、「寄り添う関係は人生に必然」を伝えていくことが重要と思えます。
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